立原とうや (更新終了)

彷徨い人の詩 聞け、魂の祈りを

彷徨い人の詩 聞け、魂の祈りを
[著者] 立原とうや [イラスト] 小島文美
[出版] EXノベルズ(スクウェア・エニックス
[ISBN] 978-4-7575-0442-4
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人間と妖魔という二つの種族の対立が続く世界の、寂れた村の宿屋で出会った、柄の悪い少年姿のゲオルグ(実は妖魔の王の家出息子)と、吟遊詩人姿の青年ラーディ(実は人間と妖魔の混血「狭間」であり妖魔狩人)。ゲオルグは好奇心一杯で考えるより先に行動し、ラーディは控えめな性格(?)で他者を避けています。この作品は、一緒に旅をするようになったこんな二人の物語で、それぞれの一人称で語られる短編5話からなっています。重苦しい雰囲気で始まりますが、ラストシーンは爽やかでした。

冥界武侠譚

華仙乱舞
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613253-4
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全8巻の中華風ファンタジー冒険活劇(?)シリーズの第1巻。主要登場人物は、女好きで自堕落で性格の悪い美形仙人・華陽と、その従僕で普段は少年姿の神犬・斑(←可愛いです)。人界で暮らしていた華陽は、異母兄である次郎真君(←二郎にあらず。ちなみに華陽の本名は「三郎」)の要請(?)で、死後に転生を待つ人々が暮らすという冥界へと降りることになります。その目的は、冥界を統べる閻羅王が行方不明になるという事件の調査……のはずですが、冥界には美女もたくさんいるのでありました。女好きで男嫌いの華陽ですが、何故か女装したりして、美髯の武人・耀東に言い寄られたりしてます。なお、この巻はシリーズのプロローグという感じです。
迷恋錯綜
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613262-6
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耳としっぽが出ている斑のイラストが可愛いシリーズ第2巻。耀東につきまとわれつつ冥界を旅する華陽と斑。彼らが出会ったのが、家出した娘・愛玲と、その使用人・北鷹。愛玲は、死んだ自分の冥界での婚約者を、人間界の親に決められてしまったことに憤っていたのでした。さっそく愛玲を口説こうとする華陽。ところが、この愛玲が耀東に一目惚れ。耀東は香雪(女装した華陽。耀東は正体に気づいていない)ひとすじ。こうしてはじまった五人の漫才道中でしたが……? 耀東の性格、笑えます。
判官流浪
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613275-6
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シリーズ第3巻。拾った閻羅王の玉璽で閻羅王代行をやって遊ぶ(?)華陽。それを聞きつけてやってきた、本当の次期閻羅王の包丞は、なぜか斑を可愛がる(笑)。そしてやっぱりついてくる耀東。こんな彼らが向かったのは、男たちが失踪して女性ばかりになった街。男たちはいったいどこに……? 可愛がられている斑が今回のポイント。
受胎狂詩
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613302-9
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シリーズ第4巻。華陽をうらむ者がしかけた罠に(誤って?)はまってしまった耀東。その罠とは、タイトルどおり……妊娠。どっちかというとユーモア系で始まった話ですが、先に進むに連れてどんどん緊迫感が増していきます。シリーズ中盤ということもあって、「最後の敵?」の存在がかなり感じられるようになってきました(その兆候は前巻にもありましたが)。男尊女卑が徹底しているらしい天界の状況なども気になります。と、これだけ緊迫する展開なのに、結末は…………(このタイトルはそういう意味だったのか? )。
従者消失
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613316-6
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シリーズ第5巻。ついにシリーズの最後まで絡んできそうな強敵が登場しました。その存在は、耀東の過去にも関連しているようです。緊迫度も不気味に急上昇。いつもの華陽と斑と耀東の漫才が清涼剤のように感じられます。また、華陽と斑の絆を再確認できる話でもあります(これまでにも、それとわかる場面はありましたが)。しかし、このラストは……斑も大変そうですね。
美姫幻戯
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613336-4
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シリーズ第6巻。「最後の戦いの幕開け」といった感じで、緊迫度はさらに増してコメディの部分がほとんどなくなってます。その弱点を突かれて危機に陥った華陽のために奔走する斑が、今回の主役と言えそうです。また、耀東の記憶を取り戻す手がかりも少しだけ出てきました。が、このラストは……。
皇帝不死
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613360-9
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シリーズ第7巻。いよいよ「敵」の正体が、華陽の過去を絡めて明かされます。ある意味で、似た者であった華陽と「敵」でしたが、その違いを決定的にした存在が華陽にはあったのでした。一方、耀東も現世での記憶を取り戻しますが、彼もまた「敵」と密接な関係がありました。そして、「敵」は…………?
永遠楽土
[著者] 立原とうや [イラスト] 紗月輪
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613379-1
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天界・人間界・冥界の三界を危機に陥れた敵と、華陽たちとの最終決戦です。そして再び始まる冥界道中。やっぱり華陽と斑は一緒がいいですね。耀東は……最後まで気づかなかったのか。何はともあれ、大団円にてシリーズ完結です。
http://www.matsubokkuri.net