橘柑子 (更新終了)

カエルと殿下と森の魔女

カエルと殿下と森の魔女 緑竜亭繁盛記
[著者] 橘柑子 [イラスト] 堤利一郎
[出版] ファミ通文庫エンターブレイン
[ISBN] 978-4-7577-2130-2
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原初の樹海「闇の森」のほとりにあって、人間のみならず人外も客として訪れる旅籠兼酒場「緑竜亭」。そこの一人娘で、「戦う看板娘」の二つ名を持つ少女リュンにより語られる、「緑竜亭」の騒動の物語。無口で料理にしか興味がない父に代わって、「緑竜亭」を切り盛りするリュンの悩みの一つが、何かにつけて喧嘩して店の者を壊す常連客、不死人アンバーと狼人の少年ブラック。今日もまた、喧嘩を始めたこの二人を抑えようとリュンが奮闘しているところに、一匹のヒキガエルを連れた美形の騎士が一夜の宿を求めてやってきます。その騎士が言うには、ヒキガエルは魔女の呪いを受けた姫君で、彼はその呪いを解くために「闇の森」の中にある魔女の庵を目指していたのでした。騎士の言葉を疑いつつも「闇の森」の道案内をすることになったリュン。ところがその騎士は、ヒキガエルに加えて大きな厄介事を引き連れており、リュンと緑竜亭はさらなる騒動に巻き込まれてしまうのでした。 大立ち回りを演じるリュンの姿はまさに「戦う看板娘」。この二つ名を本人は嫌がってますが、生まれからして普通ではない上に、人外魔境一歩手前の環境で鍛えられたリュンが、ただの少女でいられるはずもないのでした(笑)。彼女の勢いのよさと啖呵が心地よい話です。
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