ベルガリアード物語
ある日、少年ガリオンが美しいおばと暮らす農場を、老人の語り部が訪れます。その語り部が語ったのは、世界創造に関する重大な秘密を持つ〈珠〉をめぐって、神々や人間が繰り広げた争いの物語……邪神からこの宝珠を守り続けてきた王族と、その末裔たちの物語でした。ガリオンにとって、それは遠い過去の伝説だと思われました。しかし、その物語はまだ終わってはいなかったのです。
数年後、この語り部がふたたび農場を訪れたとき、物語はその結末に向けて再び動き始めます。突然の襲撃、農場からの脱出、放浪の旅……それは〈予言〉成就への長い旅の始まりでした。少年のもとに次々と集まる、数多くの不思議な仲間たち。美しい姫君との出会い。やがてガリオンが向かうことになるのは、かつて王を失い、その帰還を待ち続けている王国。そして、その玉座に封印されているのは、神々の時代に生まれた剣。すべてが明らかにされたとき、ガリオンは決戦の地「永遠の夜の都市」へと赴くことになります。
ストーリー展開はオーソドックスなエピック・ファンタジーといえるシリーズですが、一方でライトノベル的な楽しさ、面白さにもあふれており、私はこのシリーズを勝手に「アメリカン・ライトノベル」と呼んでいます(笑)。「指輪物語」の本歌取り的な部分(どっちかというとパロディに近いか?)も楽しめますし、何より魅力的な登場人物たちの軽妙洒脱な掛け合い漫才が最高です。
新装版
ベルガリアード物語1 予言の守護者
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020380-1
ベルガリアード物語2 蛇神の女王
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020383-2
ベルガリアード物語3 竜神の高僧
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020386-3
ベルガリアード物語4 魔術師の城塞
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020389-4
ベルガリアード物語5 勝負の終り
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020391-7
マロリオン物語
〈マロリオン物語〉は〈ベルガリアード物語〉の続編です。個性的な登場人物と、軽妙洒脱な会話は健在(というかボリュームアップしてます)。前作同様楽しめる作品です。新たなる〈予言〉に導かれ、ガリオンたちの長い長い旅が始まります。青年に成長したガリオンですが、子供っぽさが残っていていいです(笑)。
新装版
マロリオン物語1 西方の大君主
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020407-5
マロリオン物語2 砂漠の狂王
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020409-9
マロリオン物語3 異形の道化師
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020411-2
マロリオン物語4 闇に選ばれし魔女
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020413-6
マロリオン物語5 宿命の子ら
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020415-0
魔術師ベルガラス
魔術師ベルガラスにより語られる「ベルガリアード物語」の前史です。物語はベルガラスのアルダーへの弟子入りに始まり、トラクによる〈珠〉の奪取と世界の分断、チェレクと息子たちによる〈珠〉の奪還、ポルガラとベルダランの誕生とその後、リヴァ王の殺害と生き残った王子の潜伏、そしてボー・ミンブルの戦いを経てガリオンの誕生へと続いていきます。
ガリオン(とその仲間たち)の誕生に備えて、長い時間を費やしてきたベルガラスとポルガラの姿には感慨深い物があります。
あと、「伝説」とベルガラスの視点による物語とのギャップが楽しいです(ベルガラスによる「伝説」へのツッコミなど多数(笑))。
魔術師ベルガラス1 銀狼の花嫁
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020392-4
魔術師ベルガラス2 魔術師の娘
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020395-5
魔術師ベルガラス3 王座の血脈
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020397-9
女魔術師ポルガラ
魔術師ベルガラスの娘である女魔術師ポルガラにより語られる、「ベルガリアード物語」の前史です。時期だけ見ると「魔術師ベルガラス」と大半(ポルガラの誕生以降)が重なってますが、ポルガラの視点からみる物語は、ベルガラスのものとは大きく異なると同時にそれを補完しています。
(ベルガラスとポルガラの認識や意見の食い違いも楽しいところです(笑))
女魔術師ポルガラ1 運命の姉妹
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020399-3
女魔術師ポルガラ2 貴婦人の薔薇
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020402-0
女魔術師ポルガラ3 純白の梟
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020405-1
エレニア記
エディングスのもう一つの異世界ファンタジーです。こちらの主人公は、中年の騎士スパーホーク。彼が忠誠を誓った女王エラナは、毒におかされ、その影響を食い止めるため、魔法によりダイヤモンドの玉座に封印されていました。その治療法を求めて、スパーホークは旅に出ます。その探索の過程で、世界的を危機に陥れる陰謀の存在が明らかになり、スパーホークは仲間とともにそれに立ち向かうことになります。
こちらも、エディングス節ともいうべき、ユーモラスな会話とテンポのよいストーリー展開が存分に楽しめます。あと、このシリーズ、主人公はスパーホークのはずですが、途中から出てくる「幼き女神」アフラエルが、強力に話を引っ張っていきます(笑)。さらに、その他の女性陣も一筋縄では行きません(これは〈ベルガリアード&マロリオン〉でも同様です)。特に、女王エラナや、スパーホークの魔術の師であるセフレーニアなどは、とても破天荒な(もちろん魅力的な)性格をしてます。このシリーズも「アメリカン・ライトノベル」と言えるのではないかと思います。
なお、「タムール記」は、この「エレニア記」の続編になります。
ハヤカワ文庫版
眠れる女王 エレニア記1
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020418-1
水晶の秘術 エレニア記2
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020420-4
四つの騎士団 エレニア記3
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020424-2
永遠の怪物 エレニア記4
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020426-6
聖都への旅路 エレニア記5
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020428-0
神々への約束 エレニア記6
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020431-0
タムール記
新装版
聖騎士スパーホーク タムール記1
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020433-4
炎の天蓋 タムール記2
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020436-5
青き薔薇の魔石 タムール記3
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020439-6
暗黒の魔術師 タムール記4
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020441-9
冥界の魔戦士 タムール記5
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020443-3
天と地の戦い タムール記6
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020444-0
ドラル国戦史
四方を統べる神 ドラル国戦史1
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020452-5
蛇民の兵団 ドラル国戦史2
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020456-3
神託の夢 ドラル国戦史3
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020463-1
峡谷の昆虫人 ドラル国戦史4
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020472-3
水晶砦の攻防 ドラル国戦史5
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020477-8
不死なる侵略者 ドラル国戦史6
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020481-5
高峰の決戦 ドラル国戦史7
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020486-0
新しき神々 ドラル国戦史8
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020491-4
アルサラスの贖罪
アルサラスの贖罪 1 黒猫の家
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020500-3
アルサラスの贖罪 2 女王と軍人
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020504-1
アルサラスの贖罪 3 善と悪の決戦
- [出版] ハヤカワ文庫FT(早川書房)
- [ISBN] 978-4-15-020508-9