2001/08/02
サイト開設から３年がたちました。いろんなことがありましたが、なんとか続いております。今後もよろしくお願いいたします。
読了本
マリア様がみてる チェリーブロッサム- [出版] コバルト文庫（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-614895-5
- いよいよリリアン女学園にも新入生が入ってきました。「銀杏の中の桜」「ＢＧＮ（バックグラウンドノイズ）」の二編が収録されています。「銀杏の中の桜」は、雑誌Cobaltに掲載されていたという幻の(?)一編で、主人公はリリアン女学園の新一年生、二条乃利子です。銀杏の木々の中に一本だけある桜の下で、彼女が出会ったのが、「白薔薇さま」の志摩子さんで、この二人は「他人には言えないある秘密」を抱え、悩んでいたのでした。「志摩子さんの秘密」って……これだったのか。乃利子がリリアン女学園に入った理由（原因？）も結構強烈です。そして「ＢＧＮ」は、「銀杏の中の桜」の舞台裏。こちらの主人公は、二年生になった祐巳ちゃんです。あの祐巳ちゃんも、ついに「紅薔薇のつぼみ」なんですね。一年生から「祐巳さま」と呼ばれるようになってもあいかわらず、ぱたぱたしてますけど……。さて、祐巳ちゃんに「妹」はできるのでしょうか？ 次も楽しみです。
星界の紋章読本- [出版] 早川書房
- [ISBN] 978-4-15-208211-4
- 1999年刊行。「星界シリーズ」の短編、アーヴ事典、アーヴ語入門、エッセイなどが収録されています。短編の一つ「星界の断章 接触」は、ハイド星系を発見したアーヴの探査屋の話です。〈レイフ・エリクスン〉の爆発の中から現れた謎の宇宙船の中では、こんなことが繰り広げられていたんですね。
星界の戦旗読本- [出版] 早川書房
- [ISBN] 978-4-15-208359-3
- 「星界シリーズ」の短編、設定資料集、エッセイなどが収録されています。短編の一つ「星界の断章 創世」はアーヴ誕生秘話です。設定資料集としては、アーヴが平面宇宙航法を確立した経緯（結構笑えます）、アーヴ根源二十九氏族の解説があります（ちなみに根源二十八氏族の名前は宿星に由来してます）。
2001/08/03
トップページのbk1近刊情報を更新しました。追加したのは、8月下旬発売予定の富士見のファンタジア文庫とミステリー文庫、ファミ通文庫です。なお、bk1は盆休みがあったりするのでご注意ください。
読了本
捨て犬少女の夜想曲 スクラップド・プリンセス５- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-2961-6
- シリーズ第５巻。シャノンが買い出しに出かけた街で拾ってきた、黒瞳黒髪で記憶喪失の少女スィン。彼女はシャノンになついてしまい、結果的にシャノンとパシフィカの関係がぎくしゃくしたものになってしまいます。それでも、自分がスィンに嫉妬していることをパシフィカは認識してて、自己嫌悪に陥っちゃったりするのですが……。
- つかの間の歌劇曲 スクラップド・プリンセス６
- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-1306-6
- シリーズ第６巻。番外編的な話です。魔物に襲われていた巡回劇団を助けたシャノンたちでしたが、ラクウェルの魔法の暴走で劇団員に怪我を負わせてしまい、かわりに彼らが舞台に上がることに……。こうして、一週間後の公演にむけてのトタバタが始まります。そして本番。台本どおりに劇が進行するはずもなく……(笑)。
2001/08/04
「オンライン書店利用法」を久しぶりに更新しました。といっても、たいした事は書いてないんですけどね……。この１年ちょっとで、オンライン書店事情もかなり変わりました。在庫確認ができるところが増え、手数料は200円台、24時間以内出荷のところもいくつか出てきています。
私が一番よく使っているのは、うちのサイトを見ても分かるとおりbk1です。文庫本や漫画単行本の新刊が比較的充実しているのがその理由です。24時間以内出荷品は「本当に」24時間以内に出荷されますので、近所の書店に入荷しなかったり、入荷したけど売り切れていた本を買うのに重宝しています。あと、ここには「検索式検索」があるので、「ライトノベル複合検索（2005/04/12閉鎖）」を作ることができました。
Amazonは、「24時間以内出荷」品は、確かに24時間以内に出荷されますが、「２〜３日以内出荷」品は、４〜５日かかるようです（品切れで取寄せになったことも……）。ただ、未発送の注文はキャンセルできるのは便利といえば便利です。
イーエスブックスは、「セブンイレブン受け取り」をウリにしてますが、うちの近所にセブンイレブンがありません。結局、宅急便で送ってもらうことになりますが、出荷まで数日かかるので「ここにしか在庫がない」場合以外は使っていません。あと、ここは「在庫品」と「取寄せ品」を同時に注文することはできないようです。
紀伊國屋BookWebは、前はよく使ってましたが、最近は「ここにしか在庫がない」場合以外は使っていません。ここは、入会金1500円を払って入会しないと利用できない（検索は可）のが最大の欠点です。
購入本
- 風の娘 崑崙秘話
- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255566-1
- 桐原家の人々４ 特殊恋愛理論
- [出版] C★NOVELS Fantasia（中央公論新社）
- [ISBN] 978-4-12-500718-2
- 禁断のインノチェンティ 薫風のフィレンツェ
- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255564-7
- ヴァーミリオンの盟約 魔都夢幻草紙
- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255543-2
2001/08/05
読了本
聖石の使徒 其は焔をまとう者- [出版] コバルト文庫（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-614886-3
- 二人の月神の争いによって世界に生み出された瘴気を浄化するため、永き眠りについた至高の女神セイトーリ。「聖石の使徒」とは、この女神の眠りを守るために存在する人々のことで、様々な石を抱いて生まれてくる「聖石の子供」たちの中から選ばれます。そして、この話の主人公は、石墨を抱いて生まれてきた少女アラクセイト。彼女は神殿で修行中ですが、力の制御がうまくできず落ちこぼれています。しかし、実は彼女のもつ素質は凄まじいものだったのでした。それゆえに、彼女は事後承諾(笑)で大事件に巻き込まれることになります。が、このアラクセイトって、性格が「ぽややん」なんです。こんな彼女の力に魅せられた、学友ソラミイノの想いが報われる日は来るのでしょうか？
夢界異邦人 眠り姫の卵- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-1700-2
- 夢界異邦人とは、他人の心の中にある世界「夢界」に潜入する能力を持つ人々のこと。軽い事故で気を失った後、目を覚まさなくなった少女を治療するため、その夢界へと潜入し囚われた紅美。彼女を救出するために、この少女の夢界へと潜入した同業者の凛が見たものは、完璧な区画を持つ白い都市でした。一方、この都市に住む少女ナナはある日、この街には存在しないはずの「袋小路」に迷い込みます。そこで、彼女は「川」を掘り続ける洞人の少年シンと出会い、この都市に対して様々な疑問を抱くようになるのでした……。この「閉ざされた都市」の閉塞感がよいです。
夢界異邦人 竜宮の使い- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-1778-1
- 続編です。巨大な竜のような影とともに起こる怪事件。紅美と凛は、学校にも家庭にも居場所を持たない高校生・拓也が、この事件に関わりを持つことを突き止めます。それは、夢界が現実世界に干渉することで引き起こされたものだったのでした。そして、拓也が待ち続けているという「迎え」が現実になった時……？
2001/08/07
今日の更新はbk1既刊情報だけです。
2001/08/08
トップページのbk1近刊情報を更新しました。追加したのは、8月下旬発売予定の徳間デュアル文庫、9月初め（実際には8月末？）発売予定の角川スニーカー文庫です。
読了本
- 通りすがりの子守歌 スクラップド・プリンセス７
- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-1324-0
- シリーズ第７巻。これも番外編っぽいですね（パシフィカとは別に、クリス君の周辺ではいろいろ動きがありますが）。赤ちゃんを拾ってしまい、苦労してその世話をするシャノンたち。その赤ちゃんを連れ去りに来た二人組の傭兵に対し、ラクウェルの新魔法が炸裂します(笑)。
- 終わりなき恋歌 スクラップド・プリンセス８
- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-1365-3
- シリーズ第８巻。今回はパシフィカを狙う殺し屋の話です。あとがきにもありますけど、えぐいです……（「自滅」シーンとかも）。これも番外編っぽい話ですね。登場人物が少ないので、「敵」が誰なのかすぐにわかってしまうかもしれません。
2001/08/16
購入本
- Ｔｅａｒｓ Ｒｏｌｌ Ｄｏｗｎ １
- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54003-5
- Ｔｅａｒｓ Ｒｏｌｌ Ｄｏｗｎ ２
- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54020-2
- Ｔｅａｒｓ Ｒｏｌｌ Ｄｏｗｎ ３
- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54030-1
- 百年の満月 １
- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54038-7
- エウリディケの娘
- [出版] ＥＸノベルズ（スクウェア・エニックス）
- [ISBN] 978-4-7575-0434-9
- ＦＷ 猫の棲む島
- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255563-0
- ドラゴンパーティ２ 永久図書館の家なき娘
- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-1879-5
- 百鬼夜行抄 １巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72089-8
- 百鬼夜行抄 ２巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72098-0
- 百鬼夜行抄 ３巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72113-0
- 百鬼夜行抄 ４巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72125-3
- 妖精国の騎士 40巻
- [出版] プリンセスコミックス（秋田書店）
- [ISBN] 978-4-253-19005-3
2001/08/17
読了本
最近は、8/10に出た「小説ウィングス」をちびちび読んで、さらに前の号を読み返したりしてました（「小説ウィングス」は、新書館の季刊誌です）。昨日読んでた「ティアーズ・ロール・ダウン」は、この「小説ウィングス」連載作です。「楽園」「煉獄」「地獄」とそれぞれ呼ばれている三地区からなる都市「迷宮都市」が舞台の、雰囲気的には近未来もので、「楽園」から逃げ出してきた男が主人公。文庫は既刊３巻ですが、9/10頃に４巻が発売予定です。
ところで、うちのサイトで紹介している「小説ウィングス」掲載作（で入手できそうなもの）としては、前田栄「ミカエルの騎士」、前田珠子「美しいキラル」、甲斐透「月の光はいつも静かに」、新堂奈槻「THE BOY'S NEXT DOOR」などがあります。あと、まだ紹介してませんが津守時生の「三千世界の鴉を殺し」とか。
- Ｔｅａｒｓ Ｒｏｌｌ Ｄｏｗｎ １
- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54003-5
Ｔｅａｒｓ Ｒｏｌｌ Ｄｏｗｎ ２- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54020-2
Ｔｅａｒｓ Ｒｏｌｌ Ｄｏｗｎ ３- [出版] ウィングス文庫（新書館）
- [ISBN] 978-4-403-54030-1
- 小説ウィングス 2001年夏号(No.32)
- [出版] 新書館
2001/08/19
読了本
「百鬼夜行抄」は、現代日本が舞台の妖怪もの。Ａ５版コミックスで８巻まで出ているシリーズの文庫化です。いちおうの主人公は、妖怪が見える高校生の律（←男の子）。第１作「精進おとしの客」の律ちゃんが可愛いです。
- エウリディケの娘
- [出版] ＥＸノベルズ（スクウェア・エニックス）
- [ISBN] 978-4-7575-0434-9
- 現代日本のある高校が主な舞台のホラー（になるのかな？）です。この高校周辺で事故などで死んだはずが、何事もなかったように蘇生した生徒たちをめぐる物語です。
- 百鬼夜行抄 １巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72089-8
- 百鬼夜行抄 ２巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72098-0
- 百鬼夜行抄 ３巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72113-0
- 百鬼夜行抄 ４巻
- [出版] ソノラマコミック文庫（朝日ソノラマ）
- [ISBN] 978-4-257-72125-3
2001/08/20
トップページのbk1近刊・既刊情報に、９月発売予定の漫画リスト（出版社別）へのリンクを追加しました。
購入本
- 竜騎手の誇り ドラゴンファーム２
- [出版] ハヤカワ文庫ＪＡ（早川書房）
- [ISBN] 978-4-15-030673-1
- 魔道士の掟 １ 探究者の誓い
- [出版] ハヤカワ文庫ＦＴ（早川書房）
- [ISBN] 978-4-15-020295-8
2001/08/21
読了本
「崑崙秘話」は、仙女になるため修行中のお転婆な少女・瑞香が主人公の中華系ファンタジーです。謎に包まれた出自を持つ瑞香が、狐精と呼ばれる妖怪との対決を通して、成長していく物語……ちょっと違うかも。
（華林があれですし……）
なお、この話の前に、「水仙の清姫」「寒椿の少女」「此君の戦姫」の３作が出ています。内容的には、先に出た３作が番外編で、「崑崙秘話」が本編といえるものになっています。
沈丁花の少女 崑崙秘話- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255515-9
牡丹の眠姫 崑崙秘話- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255540-1
風の娘 崑崙秘話- [出版] Ｘ文庫ホワイトハート（講談社）
- [ISBN] 978-4-06-255566-1
2001/08/22
購入本
- 機械仕掛けの妖精姫
- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-1371-4
- 殺され女神の箱庭
- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-1375-2
- 我が庭に響け銃声
- [出版] 富士見ファンタジア文庫（富士見書房）
- [ISBN] 978-4-8291-1368-4
2001/08/23
購入本
- フェアリーランド・クロニクル 魔人眼
- [出版] スーパーダッシュ文庫（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-630047-6
- オーパーツ・ラブ 〜いけません！ ファラオさま〜
- [出版] スーパーダッシュ文庫（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-630044-5
- Ｋｉｓｈｉｎ ―姫神― １ 邪馬台王朝秘史
- [出版] スーパーダッシュ文庫（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-630046-9
2001/08/24
トップページのbk1近刊・既刊情報に、９月発売予定のハヤカワ文庫（ＳＦとＪＡ）のデータを追加しました。
購入本
全部、おむらよしえさんの「まいなーですけど書店」のコメントを見て購入。
- 不死者あぎと １
- [出版] ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-876039-1
- 不死者あぎと ２
- [出版] ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ（集英社）
- [ISBN] 978-4-08-876199-2
- 極楽丸 １
- [出版] バーズコミックス（ソニーマガジンズ）
- [ISBN] 978-4-7897-8370-5
- 極楽丸 ２
- [出版] バーズコミックス（ソニーマガジンズ）
- [ISBN] 978-4-7897-8371-2
2001/08/26
読了本
風水街都香港 上- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-0901-4
- シリーズ第３弾は「香港」です。……しかし、これって、独特の世界設定のせいか、内容紹介が書きにくい話ですね。面白いんですけど。
風水街都香港 下- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-0922-9
- この話（というか世界）で重要な概念として「遺伝詞」があります。これは、すべての存在（物体だけでなく、光や音、感情や雰囲気までも含む）を構成するもので、この「香港」では、さらに「音楽」のイメージを持っています。そして、この「遺伝詞」を操る技が「風水」と呼ばれているものです。この「香港」は、ある目的のために香港で巨大な風水を行おうとする者と、それを阻止しようとする者の物語……です。とりあえずは。「風水」による戦闘が見所ですが、他にも、はっきりとは書かれていない香港の過去とか、意味深な口絵のイメージストーリーとか、いろいろ謎があって楽しめます。（ちなみに私にはわからなかった部分もいろいろと……）
2001/08/28
読了本
閉鎖都市巴里 上- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-1349-3
- 「巴里」は、中世に作られた結界により、すべては「表記」されて初めて存在が可能となるという文字世界です。この巴里は、第二次世界大戦中の1944年8月6日、独逸軍が使用した「言詞爆弾」の爆発によって時空間に連環が生じ、時間的に閉鎖された都市となりました。巴里は、1944年8月6日になると、そこに住む人々もろとも「初期化」され、1年前の状態に戻ってしまうのです。後に、技術革新によって外部世界から巴里へ入ることが可能になったものの、外部の者が巴里で行った改変は「初期化」によって無効となる上に、巴里自身の免疫機構によって侵入は次第に困難になりつつあります。一方で、もし巴里が連環から解放された場合には、巴里は1944年に復活することになり、これによって生じる歴史的矛盾によって外部世界が消滅することがわかっていました。このため、外部世界は巴里の解放を行わず、情報収集によってそのバックアップを作ろうとしています。
閉鎖都市巴里 下- [出版] 電撃文庫（アスキー・メディアワークス）
- [ISBN] 978-4-8402-1389-9
- この話の主人公は、1998年から「留学生」として巴里に入ったベレッタです。彼女の祖母ベレッタ（主人公と同じ名前）は、1944年当時、独逸軍占領下の巴里でレジスタンス活動に参加しつつも運良く「初期化」を免れており、ベレッタはこの祖母の身分を利用して巴里に入っています。そして、ベレッタの目的は二つありました。その一つは、彼女の曾祖父が関わっていたらしい極秘の兵器開発計画「アティゾール計画」の調査であり、もう一つは、彼女の祖母の心残りであった、曾祖父と曾祖母の間の誤解を解くことでした。たくさんの小さな「改変」を行いつつも、アメリカからの留学生として過ごしていたベレッタは、1944年2月の雨の夜、レジスタンスの人々といるところを独逸軍に襲撃され、逃げ延びた先で、記録には記されていない館を見つけます。そこで、ベレッタが出会ったのが、意志を持ち、成長していく機械である「自動人形」の娘ロゼッタでした。ベレッタとの交流によって、少しずつ人間に近づいていくロゼッタは、やがて自らの存在意義についての悩みを抱くようになります。一方、ベレッタもまた、この閉鎖世界の限られた時間の中で、自分が行うべき事について悩みを抱くようになります。そうしているうちにも歴史は動き、連合軍のノルマンディー上陸作戦と、それに続くレジスタンス蜂起戦の時が近づいていたのでした……。
