やさしい竜の殺し方
第1作のオビには、「『愛してる』は最強呪文」と書いてあったそうですが、まさに「愛してる」の連発が心地よい、異世界ファンタジー系RPG小説風ラブ・コメディー(かな?)三部作です。なお、正式なシリーズ名はありません(「あぶない竜シリーズ」は私が勝手につけたものです)。第1作の「やさしい竜の殺し方」で話はひと区切りついています。なお、第2作「ゆがんだ竜の愛し方」と第3作の「あぶない竜の選び方」は、ひとつの話を二冊に分けた構成になっています。
武道会で出会い、幻獣退治の依頼を受けて旅立った五人の傭兵たちのパーティー。そのメンバーの一人となった、元聖騎士の青年アーカンジェルは、同じくメンバーの一人となった少年ウランボルグに「告白」されているらしいことに気づき、衝撃を受けます。そして、その少年にはある秘密があったのでした。彼の「正体」とは?(←すぐ分かりますが……)
一千年前、大災厄を防ぐために、炎烈王と呼ばれた幻獣の王によって、陽界と陰界の二つに分割された世界を舞台に繰り広げられる、人間と竜の種族を超えた愛の物語です(たぶん……)。爆笑ものの痴話喧嘩に、周辺登場人物もたじろぐ「いちゃいちゃのあつあつ」な場面も多数。津守時生作品ではおなじみの「色気のあるドタバタ」にあふれた、とても楽しめるシリーズです。
注:このシリーズは当初、スニーカーブックスより「やさしい竜の殺し方」「ゆがんだ竜の愛し方」「あぶない竜の選び方」の全3巻で刊行されましたが、スニーカー文庫での再刊に当たって、シリーズ名が「やさしい竜の殺し方」に統合されました。
やさしい竜の殺し方
- [出版] スニーカーブックス(角川書店)
ゆがんだ竜の愛し方
- [出版] スニーカーブックス(角川書店)
あぶない竜の選び方
- [出版] スニーカーブックス(角川書店)
- シリーズ完結編。今回も笑えます。とくに「痴話喧嘩」には爆笑! 一番の見所であるはずの、竜と竜との一騎打ち、誓約者と誓約者の一騎打ちの結末も、当事者は笑えないけど読者は笑えます。「津守さんらしい」展開ですね。構成的には「ゆがんだ竜の愛し方」「あぶない竜の選び方」は上下巻のようなものになっているせいか、話の厚みが少ないのがちょっと残念ですが、シリーズの最終巻としては十分に楽しめました。それにしても、ウルってクローディアに「お黙り、○○竜ッ」と言われたことをずっと気にしていたんですね。可愛いっ(笑)。
スニーカー文庫版
やさしい竜の殺し方 1
- [出版] スニーカー文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411713-9
やさしい竜の殺し方 2
- [出版] スニーカー文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411714-6
やさしい竜の殺し方 3
- [出版] スニーカー文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411715-3
やさしい竜の殺し方 4
- [出版] スニーカー文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411716-0
やさしい竜の殺し方 5
- [出版] スニーカー文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411717-7
ビーンズ文庫版
やさしい竜の殺し方 1
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411719-1
やさしい竜の殺し方 2
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411720-7
やさしい竜の殺し方 3
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411721-4
やさしい竜の殺し方 4
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411722-1
やさしい竜の殺し方 5
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411723-8
やさしい竜の殺し方 6
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-411724-5