大野木寛 (更新終了)

エルフ・ザ・アサシン

ある王国の宮廷で、最愛の父グランダッソとともに、幸せな日々を送っていた少女グリゼルダ。しかし、「第七の封印」と呼ばれるものの秘密を探り出すために、父のもとに拷問官と暗殺者が送り込まれたとき、その日々は終わりを告げます。ところが、その暗殺者は、秘密を語る前にグランダッソを殺し、グリゼルダを「太陽の谷」と呼ばれる場所に連れて行くと語ります。その依頼者は父グランダッソ。こうしてグリゼルダと、銀の瞳を持つダークエルフの暗殺者、ル・シールの長い旅が始まります。

最愛の父を殺した暗殺者との、屈辱の旅を続けるグリゼルダに襲いかかるのは、かつて彼女のいた宮廷の真の姿、「闇の宮廷」からの追手……。グリゼルダは、ル・シールに守られながらも彼を憎み、いつか彼を殺すことを誓って旅を続けます。そして、この旅によって明らかになるのは、人間が魔法を使うことで汚されていく世界と、汚れによって滅び行く数々の魔的種族の姿、かつて世界を浄化のために焼き尽くした竜たちの伝説と、ル・シールとグリゼルダの誕生の秘密……。グリゼルダはなぜ、太陽の谷に行かなければならなかったのでしょうか?

シリーズ前半の「屈辱と憎悪に彩られた」グリゼルダの旅の悲惨さが、強く印象に残る話です。しかし彼女は、その苦難を一つ一つ乗り越えていきます。最初は「か弱い少女」だったグリゼルダですが、クライマックスでは「こんなに強くなって……」と、ため息をついてしまいました。

天使の翼 悪魔の爪
[著者] 大野木寛
[出版] C★NOVELS Fantasia中央公論新社
人魚の涙 妖魔の叫び
[著者] 大野木寛
[出版] C★NOVELS Fantasia中央公論新社
竜の咆哮 神の選択
[著者] 大野木寛
[出版] C★NOVELS Fantasia中央公論新社
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