プラパ・ゼータ
伝説の四人の聖戦士……銀斧の戦士ディーノ、魔道士レイム、竜使いのシルヴィン、そして翼を持つ乙女ファラ・ハンたちの世界救済の物語。「時の宝珠」を正し、滅亡の危機に瀕している世界を救うと伝えられる聖女ファラ・ハンを召喚するため、聖地では魔道士たちの長い儀式が行われていました。一方、聖女に同行する三人の聖戦士を選出するため、聖地には戦士、魔道士、竜使いが集まっていました。しかし、聖戦士として選ばれたのは、殺戮の限りを尽くして監獄塔に捕らえられていたディーノ、見習い魔道士レイム、まだ若い竜使いの娘シルヴィンの三人だったのです。そして、聖地に降臨したファラ・ハンは、聖女としての記憶を失っていました。自らの過去を夢に見る「眠り」から目覚め、課せられた使命を知らされた彼らは、驚きと疑念を抱き、あるいは反発しながらもそれを認め、世界救済のために飛竜に乗って旅立ちます。
全6巻のこのシリーズ、文体がちょっとかわってまして、はじめて読むと戸惑うかもしれません。ちなみに私は結構気に入ってます(好みが分かれそうな気はしますが……)。展開は結構ゆっくりとしてまして、四人が世界救済のために旅立つのが、3巻からだったりします。もちろん終盤は「怒涛の展開」になりますが……。また、生い立ちも性格も、全く異なる四人の聖戦士たちは、当然のごとく互いに反発したりするわけですが、それをいかにして乗り越えていくのか……というのが、ひとつの見所です(特にレイムとディーノの「対立」は見ものです)。ラストの旅立ちのシーンもなかなか爽快で気に入っています。
聖女の招喚
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
天空の魔法陣
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
平行神話
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
玻璃色の迷宮
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
闇色の魔道士
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
幻影の時空樹
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
精龍王
銀斧の聖戦士ディーノを主人公とする、「プラパ・ゼータ」の外伝です。「プラパ・ゼータ」のラストの場面が、この物語の最初の場面になってます(さっそく険悪な雰囲気になってたりする)。内容的には「外伝」というより「続編」に近いかもしれませんが、ある理由からこのシリーズはやっぱり「外伝」です。聖女ファラ・ハンと同じ魂を持つ乙女を捜し求めるディーノの物語。孤高の王ディーノの性格のせいか、雰囲気はやや殺伐としてます。
赤い塔の姫君
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
銀斧の聖戦士
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
熱砂の城壁
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
冥き妖霧の砦
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
龍珠を継ぐ者
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
華麗なる覇王
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
金色の魔道公子
聖魔道士レイムを主人公とする、「プラパ・ゼータ」の外伝です。「精龍王」と同じく、「プラパ・ゼータ」のラストの場面が、この物語の最初の場面です。レイムは、世界救済の旅の途中で出会った、氷の中で眠る姫君を助け出すために、奇妙な仲間とともに旅をします。そんなレイムたちに襲いかかるのは、氷の中で眠る姫君を狙う邪悪な敵。これらを退け、さらには自らの「凄惨な過去」と対決しながら、レイムは旅を続けます。かなり陰惨な展開が多いのですが、レイムの性格のせいで、どことなく「おっとり」とした雰囲気(?)を感じるシリーズです。読んでいて、レイムの独特の「間」にひきずられて、ずっこけそうになることもしばしば(笑)。そして、なんと言っても「レイムは優しい!」。これに尽きる話といってもいいかもしれません。
氷中の琥珀姫
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
古代神の末裔
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
黒い肌の魔女
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
過ぎし夢の姫
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
星を授かる者
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
千年の夢幻獣
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
プラパ・ゼータ ミゼルの使徒
黒蓮の虜囚
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255539-5
彩色車の花
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255559-3
蒼海の白鷹
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255578-4
雪白の古城
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255592-0
幻の眠り姫
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255607-1
迷蝶の渓谷
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255624-8
天竺漫遊記
「西遊記」が元ネタの、中華風異世界ファンタジー。設定はシリアスですが、登場人物や会話はかなりコミカルです。「ですます調」の文体が結構楽しく、うきうきしながら読めました(ただし、全体的に好みが強く別れそうな気はします……)。
ゴー・ウエスト
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255438-1
- せるのは、人語を解する謎の白馬・玉龍。そして、旅の道連れ(?)、悟空、藍、睦の三人。とにかく全員が少年です(笑)。彼らの共通点は、悟の国の薬師が生み出したと伝えられる「果術」に関わりがあること。しかし、悟の国は十六年前に一夜にして消滅していました。そして、その時期は果級妖怪の出現時期とほぼ一致していたのでした……。破天荒な性格の三蔵ですが、他の四人(?)もそれに負けないくらい元気でしたたかです。
スーパー・モンキー
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255461-9
- 三蔵は、三人の弟子(?)、悟空、藍、睦と、愛馬(?)の玉龍とともに、西へと向かいます。彼らの前に立ちはだかるのは、果級妖怪の大王、金角&銀角。弟子たちと引き離され、囚われの身となった三蔵は……? すべての登場人物の中で、三蔵が一番破天荒で、妙に人間臭い果級妖怪たちがそれに振り回されてます。性格のバラバラな悟空、藍、睦と玉龍も、妖怪たちと同様に振り回されてますが、それでも次第に連携して行動できるようになってきました。
モンキー・マジック
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255485-5
- シリーズ第3巻。三蔵たちの旅は中間地点を通過。今回も、彼らの前には果級妖怪が立ちはだかりますが……前回出てきた金角より「弱い」ですね。三蔵が一枚上手なんですが、妖怪の方がけっこうお間抜け。話に大きな展開はなく、「中間で一休み」という感じです。なお、登場人物間の関係にはいろいろ進展(笑)がありました。あとがきを見ると、次の巻で終盤へ向けての急展開がありそうです。
ホーリー&ブライト
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255500-5
- うっかり川の水を飲んでから、お腹の調子が変になった三蔵と睦。川には何が流れているかわからないということで。そして、藍と反対の性格の道士と、紅瑠を追っているらしい武人が加わった三蔵一行の行く手に立ちはだかるのは…………ついに出ました、牛魔王。今回のラストで、シリーズ最終巻となる次巻へ向けての急展開がありました。
ガンダーラ
- [出版] X文庫ホワイトハート(講談社)
- [ISBN] 978-4-06-255517-3
- シリーズ最終巻。苦闘の末に牛魔王たちを倒し、火焔山を越えて、ついに三蔵一行は天竺に入ります。しかし、一見楽園に見えた天竺は……? というわけで(予想通り?)経典がすんなり手に入るわけがないのでありました。が、突破口を作ったのはやっぱり三蔵。大団円にてシリーズ完結です。
シャール・ラザラール
「千一夜物語」が元ネタのファンタジーです。鍛冶屋の放蕩息子ユーリグが、強引に家に連れ込んだ若い舞妓は、胸に林檎を入れた美少年。その正体は、かつて千の魔神を創り出したという大魔術師シャール・ラザラール。なりゆきから、魔神を封じ込めた宝物を探しているというシャールにつきあうことになったユーリグに、ろくでなしの兄を支えるユーリグの妹イハティスと、香水瓶に封印されていた魔神フォーラ・フォーラも加わって、千の魔神の物語は始まります。高飛車なシャール・ラザラールと、ろくでなしだけど意外と面倒見はいいユーリグのやりとりが楽しいです。「ちびシャールくん」が可愛い〜。
シャール・ラザラール 封印されし魔神
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445601-6
シャール・ラザラール 砂漠の幽霊船
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445602-3
シャール・ラザラール 不思議の楽園
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445603-0
- シリーズ第3巻にして最終巻。九百九十九の魔神の術を解いたシャールは、ついに千番目の魔神とまみえることに……。大団円にてシリーズ完結です。
リストワール・デ・メルゼス
翼があったり、耳鰭があったり、尻尾があったり、オマケはないけど手先が器用だったりする人々(全部で四種族)が暮らす世界「メルゼス」。その世界の中心で、異世界より進入してくる魔物を引き寄せ、退治する者が「王」と呼ばれる存在。「王」は、魔法によって「卵」に封じられた志願者が、長い眠りの後に、新たな姿と力を得て孵化することで誕生します。――こんな世界を舞台にした、連作シリーズです。
リストワール・デ・メルゼス 魔石の宝冠
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445604-7
- 王が、傷んだ弁当を食べて食中毒で亡くなった(笑)ことから、次代の王の卵を目覚めさせる準備に入った神官たち。ところがアクシデントにより、まだ未成熟の卵に罅を入れてしまい、仕方なくその卵を目覚めさせることになってしまいます。そして生まれたのが、何の力も記憶も持たない少年王ポルトスポルディ。しかし、王とは魔物を引き寄せる存在であり、力を持たないポルトスとて例外ではありませんでした。結局「世界のお荷物」となってしまったポルトスの処遇をめぐり、王宮の会議は紛糾の末にある結論に達します。それは、目覚めの儀式直後に、魔物に奪われてしまった「卵の殻」――魔法で加工され戴冠式に不可欠な王冠となる――の奪還を通して、ポルトスに自ら王の証を立てさせる、というものだったのでした。こうして、神託により各種族から選ばれた四人の近衛と共にポルトスは、王冠の奪還に向けて旅立ちます。それを見守るのは、外見は少女だけれども最長老の魔法使いフレドリカと、ポルトスのかつての恋人で未だに彼をあきらめきれないでいる神官ルビエナ……。
リストワール・デ・メルゼス 紅翼の騎士
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445605-4
- シリーズ第2巻。背に翼を持つ人々の地、イル・ド・シエルが舞台です。不敗の賭博師「紅翼の騎士」を騙って三代目、領民を養うためにカジノで荒稼ぎを続ける貧乏侯爵の長男ラクセスが主人公。彼の悩みの種は、かつて先代の王妃カテリーナと美を競ったという祖母メアリジェーンの浪費癖。ところがメアリジェーンは、そんなラクセスに、王位継承者アイゼルン姫の持つ「王家の魔石」を「拝借」してくるように命じます。その目的は、カテリーナに孫娘であるアイゼルン姫を自慢された腹いせ……。こうしてラクセスは、魔法使いの従者(行き倒れていたところを侯爵家に拾われたらしい)フラロス・フラルスとともに、魔石拝借に乗り出したのでした。が、このフラロスが……(笑)。
リストワール・デ・メルゼス 虹色の水竜
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445606-1
- シリーズ第3巻。手先の器用な人々が暮らすイル・ド・ウティが舞台です。イル・ド・ルワに向けて出航したテイターニア号が、魔物に襲われて沈没してから八年後。テイターニア号で生き残った少年チェントリーは、十九歳にして王立学院の鉱物学教授となっていました。彼の悲願は、テイターニア号とともに沈んだ首長竜の化石を引き上げること。しかし、彼がいとこで仮免許中の魔法使い・ハーキュリスとともに行った回収作戦はことごとく失敗に終わっていました。引き上げには潜水の名手の協力が不可欠、との結論に達した彼らは、学院事務局の職員パティドールの協力(?)を得て「助手」を募集、選考の末に謎めいた女性マリスタシアを選び出します。が、彼女の正体は財宝泥棒で、腐れ縁の海賊までおまけについていたのでした。こんなメンバーで始まった「虹色の水竜」回収作戦の行く末は……?
リストワール・デ・メルゼス 緑の聖域
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445607-8
- シリーズ第4巻。髪を高く結わえた陣羽織の剣士に、魔物に襲われていたところを助けられた、三角の立ち耳にふさふさ巻き尻尾の少年シルベスタ。その剣士にあこがれて、魔物退治をする兵士になる道を選んだシルベスタのいでたちは陣羽織にポニーテール、そして(質流れ品の)名刀「月影」。ところが入隊して三ヶ月目に参加した魔物一掃作戦で、シルベスタは大失態を犯してしまったのでした。シルベスタに下された処分は、彼がが取り逃がしたため自然保護区へと逃げ込んだ四匹の魔物を殲滅すること。こうして、一癖も二癖もある森林保護官たちの協力のもと、シルベスタの償いは始まります。 剣士ミハイル・ヴォーグ……(笑)。
守護天使は竜を抱く
守護天使は竜を抱く
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445608-5
- 人間のふりをして旅を続ける守護天使セラフィス。彼の目的は、共に旅する黒髪の少年ジークマリオンの「力のかけら」を集めること。しかしジークマリオンの力は神により取り上げられたもので、セラフィスはそのことで神に意見したため最下級の天使に格下げされた存在でした。こうして無許可で地上に降りて活動中のセラフィスを捕らえるため、天界から降りてきた追手はセラフィスの友人のサティウス。最高位の天使でセラフィスを案じる生真面目なサティウスから、セラフィスは逃げ切れるのでしょうか……? セラフィスと人間たちに振り回されるサティウスが楽しいです(笑)。
守護天使は運命を導く
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445609-2
守護天使は奇跡を奪う
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445610-8
少年伯爵シリーズ
少年伯爵は月夜に目覚める
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445611-5
少年伯爵は月下に奏でる
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445612-2
少年伯爵は闇夜を駆ける
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445613-9
少年伯爵は月影に慕う
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445614-6
少年伯爵は月花を愛でる
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445615-3
少年伯爵は月光を纏う
- [出版] ビーンズ文庫(角川書店)
- [ISBN] 978-4-04-445616-0