前田珠子 (更新終了)

破妖の剣

創造神ガンダルによって生み出された世界「ガンダル・アルス」で、人に仇なす存在である魔性に対抗できる唯一の存在……浮城。そこに集うのが、魔性を封印する力を持つ「捕縛師」、魔性を魅了し「護り手」として味方に引き入れる力を持つ「魅縛師」、そして、意志を持つ「破妖刀」で魔性と戦う「破妖剣士」です。この物語の主人公は魔性と人間の間に生まれた、半人半妖の少女ラエスリール(魔性としての名は朱烙)です。彼女は人間として生きることを選び、破妖剣士として浮城に籍をおいています。

このラエスリール(通称ラス)というのが、自分の意思を他人に伝えるのが苦手。そのため他人に誤解されやすく敵を作りがちで、さらに悩みを抱え込んで閉じこもりがち。他人には甘いが自分には極めて厳しい。一度好意を抱いた相手を傷つけることが出来ず、そうせざるを得なくなると自らを傷つける。戦い方は猪突猛進型であり、周囲をはらはらさせることも多い、「どうしようもなく不器用で馬鹿で命知らずな破妖剣士」なのです。

こんなラスの護り手となったのは、極悪非道な性格を持つ、赤い髪と瞳の美貌の魔性「闇主(あんしゅ)」。この世界では、力の強い魔性ほど美しい姿を持つとされ、力の強い順に「妖主」「妖貴」「妖鬼」「小鬼」と呼ばれています。妖貴になると一人でも国を滅ぼすほどの力を持ち、浮城でも対抗は困難です。この闇主、その美貌からしてかなり強い魔性のはずで、浮城の魅縛師が魅了できる存在ではなさそう……。となると、本人の意志で護り手をしてることになりますが、その目的は……?

このラエスリールと闇主を中心に、数多くの人間や魔性たちが関係して、話は進んでいきます。ラスの弟で、魔性として生きる道を選んだ乱華、浮城における数少ないラスの理解者セスラン、サティン、リーヴシェラン、ラスの義母でもある城長マンスラム、ラエスリールに仕事を依頼した(謎の)少年ザハト、ラエスリールの存在に興味を抱いている妖主たち、そしてラエスリールの父である魔性と、今は亡き人間の母……。

現在、第6部「鬱金の暁闇」が始まったところですが、話の展開からして、世界の創造も関係する壮大な話になりそうです。ところで、私は前は闇主がお気に入りだったのですが(笑)、いまでは「白焔ひとすじ一千年!」の紫紺の君が一番気に入っています。強いのに情けないのがいいです。次はリーヴィと邪羅かな。外伝に出てきた捕縛師シャイレンもいいですね。最近ではシェンツァー・リーウェンも……。

破妖の剣1 漆黒の魔性
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611349-6
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破妖の剣2 白焔の罠
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611442-4
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破妖の剣外伝1 女妖の街
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611473-8
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破妖の剣3 柘榴の影
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611573-5
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破妖の剣4 紫紺の糸(前)
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611703-6
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破妖の剣4 紫紺の糸(後)
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611720-3
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破妖の剣外伝2 ささやきの行方
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611883-5
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破妖の剣5 翡翠の夢 1
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614127-7
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破妖の剣5 翡翠の夢 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614147-5
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破妖の剣5 翡翠の夢 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614188-8
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破妖の剣5 翡翠の夢 4
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614220-5
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破妖の剣5 翡翠の夢 5
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614249-6
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破妖の剣外伝3 忘れえぬ夏
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614516-9
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シリーズ外伝第3弾です。浮城に連れてこられて間もない頃、ほぼ完全に心を閉ざしていたラスが、心を開くきっかけとなったある夏の物語「忘れえぬ夏」と、闇主と二人で愛の逃避行をしているラスが、ある谷で巻き込まれた魔性がらみの事件「霧魔の谷」の2作が入ってます。前者は書き下ろしです。
「忘れえぬ夏」
まだ少女だったサティンと、相変わらず青年のセスラン(しかし、五目煮込み麺の盆をもった美青年って……)が、ちびラスの心を開かせるきっかけになればと、彼女を連れてとある山荘へ休養に出かけます。しかし、そこで彼らは魔性の作った結界に閉じ込められてしまったのでした……の割には、セスランのせいか、緊迫感があまりない。実際には状況は緊迫しているわけですが……。サティンを気遣うラスの心の叫びが、なかなか印象的でした。
「霧魔の谷」
霧魔に生け贄をささげてきた、とある谷の村に迷い込んだラスと闇主の、ちょっとした活躍の話です。ラスってやっぱり鈍感……というのを再確認できる話です(身内に心臓が弱い人物は……って)。ところで、「忘れえぬ夏」では「不細工な少女」だったラスも、ここでは「美女」になっています。それだけ成長したのかな? 暗めの雰囲気がなかなかいいです。
破妖の剣外伝4 時の螺旋
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614517-6
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シリーズの外伝第4弾です。前にCobaltに掲載されていた「時の螺旋」と、書き下ろし「紅き神の娘」が収録されています。
「時の螺旋」
行方不明になったラスを闇主が探しまわる話です。鍵となる人物は、魔性邂逅率が異常に高い少女、シェンツァ・リーウェン。時間を超えて飛ばされてきた彼女を頼り(?)に闇主はラスを見つけ出そうとします。そして、その探しまわる過程で闇主が出会う魔性の顔ぶれの豪華なこと。私は紫紺の君・藍絲のちょっと情けない姿が見れてとても満足でした。シェンツァ・リーウェンもなかなかいい性格してます(某捕縛師の母親シャイレンを思い出してしまいました)。ラウシャンは尻に敷かれてるに違いありません。なお、このシェンツァー・リーウェンは、ある意味で、超重要人物みたいですね。
「紅き神の娘」
タイトルから、恐いことを想像してしまいますが、さて事実は……? ラスはある村でまたまた事件に巻き込まれ、「赤い印」を持つ少女、シルヘと出会います。その「赤い印」の話を聞いて、ラスは「むかむか」。なぜか分からないのに「むかむか」。このむかむかがいいのです(笑)。そして、今回の衝撃は……後書きにもありますが、○○の再登場でしょう。○○が「元気?」と言って出てきたときには……。
後書きにもある通り、闇主がラスのために少しだけ苦労し、少しだけ精神的弱さを見せた一冊だったように思います。
破妖の剣外伝5 魂が、引きよせる
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614690-6
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シリーズの外伝第5弾です。浮城で留守番中のリーヴシェランが主役の「魂が、引きよせる」と、逃走中のラス&闇主の「いびつな螺子(ねじ)」の二作が収録されています。
「魂が、引きよせる」
リーヴィといえば邪羅ですが、あまり関係は進展しませんでした。今回は紫紺の君がいいところで登場したので、紫紺ファンとしては嬉しいです。今回、大きな「贈り物」をもらったリーヴィ、今後はどうなるのでしょうか? ついでに、サティンが闇主からもらった「贈り物」は……(笑)。
「いびつな螺子(ねじ)」
例によって逃避行中のラスが、闇主が原因で旅先で関わることになった事件の話です。二人の関係は相変わらず。ついでに、今回初登場の「アンシュ」は……(笑)。
破妖の剣外伝6 呼ぶ声が聞こえる
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614823-8
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シリーズの外伝第6弾です。サティンとサティンの新しい護り手の話「呼ぶ声が聞こえる」と、逃走中のラス&闇主が拾った少女の話「かけ違えられた釦」の二作が収録されています。
「呼ぶ声が聞こえる」
最悪の出会いで始まった、サティンと新しい護り手の関係は、当然のごとく良いといえるものではありませんでした。そして、今回サティンが派遣されることになった地は、彼女が前の護り手を失った場所。さて、二人の関係はどうなるのでしょうか……というところなんですが、サティンの性格のせいか不安はあまり感じませんでした。というか、笑えます。あと、サティンの捕縛シーンは、今回が初めてかも。
「かけ違えられた釦」
ラスが拾った(?)謎の少女イリア。その正体は? (いろいろ考えちゃいますね) 一方で、闇主の台詞にも意味深なものがありますし、行方不明になっているらしい乱華の話題も出てきます。
破妖の剣6 鬱金の暁闇 1
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600143-4
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600191-5
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 厦門潤
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600297-4
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破妖の剣外伝 言の葉は呪縛する
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601285-0
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 4
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601317-8
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 5
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601346-8
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破妖の剣外伝 紅琥珀
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601373-4
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 6
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601433-5
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 7
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601460-1
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 8
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601489-2
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 9
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601545-5
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 10
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601575-2
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 11
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601604-9
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破妖の剣6 鬱金の暁闇 12
[著者] 前田珠子 [イラスト] 小島榊
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601632-2
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隻腕の神の島

当初、1巻完結の予定で書き始められたのが、全6巻に増殖してしまったという、前田珠子さんらしい作品です。主人公は「青みを帯びた黒い髪、黒ともみまがう深青色の瞳、浅黒い肌の少年」カーデューアです。

魔術師の末裔が作り上げた国・ディナイア神聖公国の、名門貴族シュラジータ家に生まれ、その後継ぎとして育てられたカーデューア。ところが、カーデューアの父親はシュラジータ家の当主カヤダスティではありませんでした。当主の妹セルマイラが神隠しに遭い、戻ってきたときに身ごもっていたのが、カーデューアだったのです。このため、カーデューアは「セルマイラが魔物と通じてなした子」などと噂されて育ちました。そして、カーデューアが十六歳になったとき、ディナイア神聖公国を牛耳る神殿によって、彼は「魔物の子」として追放され、一般には伝説上のものとしてしか知られていない島、「双鬼睡」へ送り込まれる事になります。

双鬼睡は、かつて、世界を危機に陥れた魔性たちと戦っていた魔術師たちの祈りに応え、魔性たちを封じ込めるために、最高神シュレンシーノが自らの右掌を犠牲にして生み出したと伝えられる島でした。また、この島には完全に封じ込めることのできなかったふたつの魔性、「陽獣」と「夜獣」が眠っているとも伝えられていました。そして、ディナイアの神殿は、カーデューアを「魔性として封じ込めるために」この島へ送り込もうとしていたのです。ところが、水夫たちが双鬼睡に船をつけることを嫌がったため、カーデューアは船に同乗していたディナイアの神殿人に「始末」されそうになります。そのとき、突然激しい嵐が巻き起こり、カーデューアは海へと投げ出されて、双鬼睡へと流れ着いたのでした。

双鬼睡で、奴隷商人に捕らえられていたカーデューアを買い取ったのは、双鬼睡を治める大公ケイファスタンの妹ナルファイアでした。カーデューアはナルファイアのわがままにつきあううちに、金髪で琥珀の瞳の青年ケイファスタンが「陽の君」、黒髪で漆黒の瞳の少女ナルファイアが「夜の君」候補と呼ばれていることを知ります。また、ナルファイアに「継承の儀式」と呼ばれる儀式が迫っていることも……。そして、カーデューアを見て驚きの声を上げた大公宮雇われの老人、十六年前に一時的にほころびたらしい封印、「カケラが戻ってきた」とささやく魔物たち……。

カーデューアと双鬼睡の関係をめぐり、大公ケイファスタンとその妹ナルファイア、大公の従兄弟でどことなく怪しい青年カイダールなどの人々が、それぞれの思惑を持って動き始めます。また、「闇の要素を持ち、呪術の触媒にふさわしい」として、カーデューアを捕らえるために双鬼睡の呪術師たちも動き始めます。そして、カーデューアは、大公家の人々に振り回され、呪術師たちに傷つけられながらも、自分と双鬼睡の関係と、双鬼睡に眠るふたつの魔性の秘密に迫っていくことになります。

このシリーズの主人公も、前田珠子作品ではおなじみの「痛い目」にあいます。また、「赤い人」も出てきます(このシリーズ中で、いろんな意味で「最も破天荒な人」です)。美青年の大公ケイファスタンはなかなかいい性格してますし、ナルファイアは勝気でわがままだけどかわいいです。このシリーズは、いろんな意味で前田珠子の代表作といってもいいかもしれません。クライマックスは……ある種のハッピーエンドといっていいんでしょうね(私はとても気に入っています)。

隻腕の神の島 邂逅の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 麻々原絵里依
[出版] スニーカー文庫角川書店
隻腕の神の島 夢幻の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 麻々原絵里依
[出版] スニーカー文庫角川書店
隻腕の神の島 彷徨の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 麻々原絵里依
[出版] スニーカー文庫角川書店
隻腕の神の島 蘭干の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 麻々原絵里依
[出版] スニーカー文庫角川書店
隻腕の神の島 壊落の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 麻々原絵里依
[出版] スニーカー文庫角川書店
隻腕の神の島 成就の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 麻々原絵里依
[出版] スニーカー文庫角川書店

歌姫の宝玉 ゼンノーヴ異聞

褐色の肌に、真紅の髪、翡翠色の瞳の美青年で、ひょろりとした自分の容姿を嫌っている流れ者の用心棒ファーレンスが主人公のシリーズです。彼は、純粋ですぐに熱くなる性格をしていますが、心の底には冷たいものを秘めています。そして、子供を前にするととたんに甘くなるのです。こんなファーレンスが拾った子供は、御家騒動で命を狙われている領主の娘ラントーニア(彼女も主人公かも)。ラントーニアが慕っている歌姫カーラのもとまで、彼女を送り届けることにしたファーレンスですが、当然のごとく彼も命を狙われて……という話です。いやーもうファーレンスが可愛い(笑)。彼は、本当はとても強いんですけど、子供っぽいところがあって可愛いのです。あと、ラントーニアは、最初は「子供」だったけど、ラストでは精神的にかなり強くなって頼もしいです。

歌姫の宝玉 上
[著者] 前田珠子 [イラスト] 沖麻実也
[出版] キャンバス文庫(小学館
[ISBN] 978-4-09-430031-4
Amazon.co.jp
歌姫の宝玉 中
[著者] 前田珠子 [イラスト] 沖麻実也
[出版] キャンバス文庫(小学館
[ISBN] 978-4-09-430032-1
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歌姫の宝玉 下
[著者] 前田珠子 [イラスト] 沖麻実也
[出版] キャンバス文庫(小学館
[ISBN] 978-4-09-430033-8
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新・ゼンノーヴ異聞

聖痕なき者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 沖麻実也
[出版] パレット文庫(小学館
[ISBN] 978-4-09-421221-1
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自分を「神を汚した一族の末裔」であると考えている、十六歳の少女ペパラーダ。彼女は異能の力を持つにもかかわらず、神の祝福を受けた聖女にあるはずの「聖痕」がないために、自らを「魔女」と思い込んでいます。また、彼女は「真面目で頑固で潔癖で信心深い」性格(あとがきより)のため、常に罪の意識に苛まれています。とある事情から、香草店を営んでいる謎めいた夫人にひきとられていたペパラーダは、店の留守番をしていたある日、足を痛めたらしい家出中の少女ファティシャラダ(通称ファラダ)と出会います。そしてファラダには追手が迫っていました。ファラダを守ることを決意したペパラーダは、当然のごとく、この事件に巻き込まれていくことになります。ペパラーダがややこしい性格でしかも気が短く、ファラダに高飛車なところがあるため、この二人の衝突は強烈です。そして、やっぱり主人公は痛かった。やむを得なかったとはいえ……。それにしても、「関節外し」って……。あとがきにもありますけど、ペパラーダって、これまでの前田珠子作品にはないタイプのヒロインですね。
神威抱く者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 沖麻実也
[出版] パレット文庫(小学館
[ISBN] 978-4-09-421222-8
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聖地に保護を求めて旅をするファティシャラダ(ファラダ)に、同行することになったペパラーダ。ペパラーダが自分を「神を汚した一族の末裔」と考えていることを知りながらも、彼女に聖地行きを命じた養い親のセネス夫人は、神殿の関係者であり、ペパラーダが知らない「何か」を知っていたのでした。何はともあれ、ファラダとペパラーダは船旅の末に、目的地があるゼンノーヴに足を踏み入れます。そこで二人が出会ったのが、「ゼンノーヴ異聞」にも登場のラントーニア、ファーレンスにサイラル。が、この出会いをきっかけに、ファラダとペパラーダはさらなる陰謀に巻き込まれていくことに……。今回、厄介ごとに巻き込まれたのはペパラーダのほうですが、それを通してペパラーダという存在の重要性がおぼろげながらも見えてきた、という感じです。また、ファラダとペパラーダの衝突は相変わらずですが、相手に対する理解と絆は確実に深まってます(それでも衝突しちゃうんですが)。あと、「神軍」のヴァルステアなど、要注意人物が何人か登場していて、今後どう絡んでくるか楽しみです。さて、次巻が出るのはいつの日か……?

月下廃園

1冊で終わる予定が3冊になってしまった、東洋風の異世界が舞台のファンタジーです。。生まれ持った力が「祝福」なのか「呪い」なのか、見極めがつくまで結界の中で過ごしてきた、月華という国の王子トゥミャーンと、荒れ果てた庭園に出没する月の精霊のごとき謎の幽霊セジュン、そして光の愛し児の少女アヴィエンスの、前世を巡る物語。

月下廃園
[著者] 前田珠子 [イラスト] 江ノ本瞳
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614539-8
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月下廃園 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 江ノ本瞳
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614559-6
Amazon.co.jp
月下廃園 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 江ノ本瞳
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614669-2
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女神さまのお気の向くまま

並行世界から侵入してくる、人の血肉を糧とする化け物と戦う「女神さま」の依巫に、無理矢理されてしまった女子高生、森桜子(さーこ)の、失われていく平凡な日常の物語です。

大昔から、化け物と戦ってきた二人の女神さま、お酒大好きの嫦娥さまと、美少女大好きの星妃さまは、肉体を持たず、人間の体に宿らないと力を発揮できません。星妃さまの依巫は、ボーイッシュな美少女、波澄明。しかし、嫦娥さまの依巫は、お酒が全くだめな少女だったのです。新しい依巫を探していた嫦娥さまは、最高の適性を持った女子高生を見つけます。というわけで、お酒大好きの少女小説家・森桃子を姉に持つ桜子は、むりやり嫦娥さまの依巫にされ、日本を守るために戦うことになるのでした。

こんな女神さまたちをサポートするのが、日本政府の独立秘密部署。女神さまに振り回されて、副室長・田宮啓一郎(35)と、川崎昭彦(23)の二人(独身)の国家公務員の苦難は続きます。

女神さまのお気の向くまま
[著者] 前田珠子 [イラスト] 辻よしみ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614067-6
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女神さまのお気の向くまま 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 辻よしみ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614217-5
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女神さまのお気の向くまま 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 辻よしみ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614711-8
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かなり久しぶりのシリーズ第3巻です。平凡な生活を望み続ける桜子でしたが、なぜか九州に、波澄明とその兄(初登場?)がやってきて、その後、川崎青年に田宮氏に二太郎まで……。ちなみに作品のタイトルは「はた迷惑なお客人」です(笑)。今回は桃子姉が結構凄いです。その言動には女神さまたちも絶句してたりします。一番笑ったのは、必殺技「ぴーって引っ張ったら広がった」かな……。

堕神綺譚

不安定な存在である「大世界」を安定させるためだけに生み出される「小世界」。それは、大世界より溢れ出すエネルギーを吸収し、やがて飽和して、そこに存在する人々とともに崩壊してゆきます。そして大世界において、この「小世界」を生み出すことができる希有な存在が、「創造種」と呼ばれる者たちでした。創造種には「ゼン」および「ム」という両性と無性の二つの種があり、互いを伴侶として小世界の創造を行い、育て上げ、その崩壊を看取るのです。

伴侶であったゼン・シャラクに先立たれたム・シャラルは、シャラクの形見となった小世界……二人でともに核を生み出した……を、何があっても守り抜くと誓い、育て上げようとします。しかしシャラルは、自らの細心の注意にもかかわらず、その小世界が不完全で不安定なものになってしまったことに気づきます。大世界の安定に役立たない小世界は、ただちに破壊される運命にありました。絶望したシャラルは、数日間(小世界においては数十年間)悩みぬいた末に、大世界において禁忌とされること……小世界への降臨を決意します。

小世界へと降臨した創造種、すなわち「堕神」となったシャラルを捕らえるために、大世界から送り込まれたのが、「狩人」と呼ばれるサヤキでした。この小世界で数年間にわたって「堕神」を捜し求めてきたサヤキは、ある一連の事実を知ることになります。その事実とは、この世界ではかつて魔と人は共存していたこと、魔王といえる存在の突然の出現により人と世界が蝕まれ始めたこと、そして、追いつめられた人々の間に生まれた救世信仰……眠り続けるという救世の神の伝説……。やがてサヤキは、妖魔たちに魔王と呼ばれている「堕神」を見つけ出します。しかし魔王は、絶望して小世界に降臨したム・シャラルではなく、死んだはずのゼン・シャラクだったのでした。驚愕する狩人サヤキに、魔王シャラクは事実を語ります。シャラルは小世界の崩壊を看取ることに耐えきれず、創造を放棄しようとしていたこと。それが、「創造」を通じて繋がりあっていたシャラクにとって、かけがえのないものを失うに等しい出来事であったということ。この小世界を自らの形見とすれば、シャラルは全身全霊をかけてこれを守るだろうと思い立ったこと。そして、眠り続ける救世の神こそがシャラルであり、魔王シャラクはその目覚めを待ち続けているということ……。

こうして、一つの小世界での物語は始まります。世界のどこかで眠り続ける神を見つけ出し、目覚めさせるために、魔王は世界と人々に対して様々な仕掛けを施します。この作品では、魔王の仕掛にそうとは知らず翻弄される人々の物語が、連作短編集の形式で語られます。全体的に漂う、耽美的で苦みのある雰囲気が魅力です。恋しい者を手に入れるために、相手にとって残酷な方法をとったシャラクの心の中が、そのまま世界に投影されたような感じです。なお、この作品は全編を通して、重くて悲劇的な展開が多いのですが、結末はとても穏やかで、しかも重苦しさを吹き払う爽やかなものでした。

堕神綺譚 まどろむ神の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 華不魅
[出版] 角川書店
堕神綺譚 目覚めし神々の章
[著者] 前田珠子 [イラスト] 華不魅
[出版] 角川書店

美しいキラル

美しいキラル part1 彼にとっては不本意ななりゆき
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス・ノヴェルス新書館
[ISBN] 978-4-403-64063-6
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むさ苦しい男の主人公?ファガルは、「不本意ななりゆき」から人間の青年(?)サリームと魔族の少女(?)リカリルの二人連れを、知り合いの「美しいキラル」に紹介するはめになります。キラルは所在不明の魔族でファガルを通してしか接触できないのです。で、どうも人間の青年が、キラルに用があるらしい……といったところから話が始まります。ファガルはむさ苦しくて情けない男です。一方、キラルはかなり大きな力を持つ、しかも非常に美しい魔族らしい……。なぜこんな二人が知り合いなのか? 何はともあれ、キラルを訪ねる三人の旅はこうして始まります。そして、一行にキラルが加わったとき、彼ら4人の(?)、新たな苦難が……。美しいキラル、気の毒なファガル、「巨大な衝撃」を受けたリカリル、中味が子供の青年サリームの、「一蓮托生」珍道中の始まりです。
美しいキラル part2 彼らにとって迷惑な客人
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス・ノヴェルス新書館
[ISBN] 978-4-403-64069-8
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本編第3話「彼らにとって迷惑な客人」と番外編「元祖 美しいキラル」に加えて、書き下ろし番外編「かわいそうなファガル」が収録されたシリーズ第2巻です。本編では、キラルとファガルが恐れていた存在(のひとつ?)が明らかになります。そして導き出された四人の結論は「一蓮托生」です(笑)。番外編「元祖 美しいキラル」は、ファガルの祖母ファリィヤと先代キラシャールの出会いの話。ファリィヤも気の毒ですね。そして、書き下ろし番外編は、「あれこれ邪魔が入って、幼いキラルを可愛がる幸せに浸れない、かわいそうなファガル」の話です。こういう環境で育ったら、キラルが甘えん坊になるのも当たり前ですね。
美しいキラル part3 彼も知らない秘密の事情
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス・ノヴェルス新書館
[ISBN] 978-4-403-64072-8
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シリーズ第3巻。本編第4話「彼の知らない秘密の事情」、第5話「彼の受けた不名誉な誤解」と、番外編「物騒なファガル」が収録されています。本編では、サリームを悩ませている「万能の稀石」の秘密が、サリームの祖父によって明かされます。さらに、その「万能の稀石」を狙う者の「目的」も……。これで、四人が巻き込まれた騒動の全体像が、おぼろげながらも見えてきたわけですが、結局彼らの置かれている状況は……「一蓮托生」なのでありました(笑)。番外編は、キラルがまだ幼い(?)頃の話です。誘拐されたキラルを救出するために、「穏健なファガル」が「物騒なファガル」になる話です。本編もですけど、「甘えん坊キラル」と「子煩悩ファガル」が楽しめる話といえるでしょう。

文庫版

美しいキラル 1
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス文庫新書館
[ISBN] 978-4-403-54103-2
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美しいキラル 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス文庫新書館
[ISBN] 978-4-403-54104-9
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美しいキラル 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス文庫新書館
[ISBN] 978-4-403-54105-6
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美しいキラル 4
[著者] 前田珠子 [イラスト] なるしまゆり
[出版] ウィングス文庫新書館
[ISBN] 978-4-403-54106-3
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花陰の鬼

人の心の闇が生み出す「魔」。これらを断たずにはおれない業を持つ存在……。かつて彼らは、神々の魂の一部を持つとされ、「神子」と呼ばれていました。しかし、彼らが現れるところには必ず「魔」の存在があったことから、いつしか彼らは「鬼」と呼ばれ、忌み嫌われるようになっていたのです。ところで、鬼といっても外見は人間と変わりません。ただ、魔を断つ力を持ち、魔に対してそれをふるわずにはいられないという点で人間とは異なります。そんな鬼たちの物語です。

緋色の髪と瞳の美女ザイ、無精髭の傀儡師・矢彦、そして「鬼」として目覚めたばかりの少女、京(みやこ)……。こんな鬼たちが、日本によく似た雰囲気の異世界を舞台に活躍します。彼らが操るのは、緋色の剣、命を与えられた人形、白銀の弓矢……。着物姿の「鬼」っていいです。

なお、この作品は「花蔭の鬼」の終わりで話が切れていて「闇守の鬼」に続いています(「花蔭の鬼」……読み切り形式で2編と半分(未完)、「闇守の鬼」……残りの半分と、読み切り1編)ので、ご注意ください。それから、「闇守」を「あんしゅ」と読んではいけません。

花陰の鬼
[著者] 前田珠子
[出版] スニーカー文庫角川書店
闇守の鬼
[著者] 前田珠子
[出版] スニーカー文庫角川書店

エシュラルト&ロキシム

孔雀の庭 エシュラルト&ロキシム
[著者] 前田珠子 [イラスト] 波津彬子
[出版] スニーカーブックス(角川書店
[ISBN] 978-4-04-788720-6
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世界を統治する「七塔」のひとつ、「氷の塔」の塔主の跡継ぎとして生まれたエシュラルト。しかし、彼は人間の精神を構成する「光」と「闇」のうち、「光」しか持たずに生まれてしまったため、人としての感情を持つことができませんでした。ところが十五になったエシュラルトは、塔に封印されていた「闇の太守」と呼ばれる精霊を解放してしまい、とり憑かれてしまいます。エシュラルトの危機を救ったのは、彼の守り役であるロキシムという盲目の魔術師でした。ロキシムは、「光の檻」という術により、闇の太守をエシュラルトの中に封じ込めます。が、この「光の檻」も、闇の太守を完全に押え込むことはできなかったのです。何はともあれ、エシュラルトは、自らの「闇」を手に入れます。しかし、闇の太守にとり憑かれてしまったために、彼は「塔」を追放されてしまったのでした。
闇の精霊にとり憑かれたことにより、自我を持つことができたエシュラルト。しかし、夜になると肉体の支配権は、闇の太守に移ってしまいます。「エスラード」と名乗るようになったこの闇の太守は、極悪非道な性格、女癖が悪いうえに浪費家で、いつも何か事件を起こしてくれます。そして、それに巻き込まれるのがエシュラルトの守り役で、実は猫かぶりの盲目の魔術師ロキシム。こんな二人(?)にひそかに「素直でかわいい」と呼ばれ、振り回されているのがエシュラルトです。こうして始まる、二人で三人の放浪の旅の物語です。日没と日出を境に入れ替わる、エシュラルトとエスラードの意識ですが、朝に目覚めて呆然とするエシュラルトって、かわいいですね。

タラスタロスの庭

前田珠子さんの本としては極めて珍しい一冊読み切り作品で、「子供の頃に不思議な存在に出会ったことで、数奇な運命を歩むことになる者」の話です(あとがきより)。その主人公は、アニエスタという名の王国の第二王子である、少年カァスタイーン。幼い頃に訪れた、神に守護されていると伝えられる古王国タラスタロスで、夜空に浮遊する不思議な庭園を目撃した時から、彼の「数奇な運命」は始まります。そして、この庭園の主の秘密を知ったカァスタイーンは、後に「狂王」と呼ばれることになる道を歩み始めます。その結末は……好みが別れそうなところですが、私はかなり気に入っています(ラストシーンも)。

タラスタロスの庭
[著者] 前田珠子 [イラスト] 木々
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614801-6
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イズァーカ商会へようこそ

イズァーカ商会へようこそ
[著者] 前田珠子 [イラスト] 鈴木理華
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614848-1
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イズァーカ商会とは、世界で唯一の(謎の)人材派遣組織。このイズァーカ商会に所属する、厄介ごとを頻繁に引き寄せる少女カリン、大きな借金を背負っている大男ラジーク、喧嘩好きの美青年キースの三人組の活躍(?)を描いた話です。彼らは、それぞれの事情と秘密を抱えて、(さらに、それぞれの抱えている事情と秘密ゆえに(笑))危険な任務に挑みます。とりあえず一冊完結のコメディです。しかし、この「イズァーカ商会」って、上層部はどうなっているんでしょうか。

聖石の使徒

聖石の使徒 其は焔をまとう者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614886-3
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二人の月神の争いによって世界に生み出された瘴気を浄化するため、永き眠りについた至高の女神セイトーリ。「聖石の使徒」とは、この女神の眠りを守るために存在する人々のことで、様々な石を抱いて生まれてくる「聖石の子供」たちの中から選ばれます。そして、この話の主人公は、石墨を抱いて生まれてきた少女アラクセイト。彼女は神殿で修行中ですが、力の制御がうまくできず落ちこぼれています。しかし、実は彼女のもつ素質は凄まじいものだったのでした。それゆえに、彼女は事後承諾(笑)で大事件に巻き込まれることになります。が、このアラクセイトって、性格が「ぽややん」なんです。こんな彼女の力に魅せられた、学友ソラミイノの想いが報われる日は来るのでしょうか?
聖石の使徒 其は力を放つ者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600025-3
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シリーズ第2弾。書き下ろし「其は力を放つ者」と雑誌掲載作「夢紡ぐ聖女」が収録されています。「其は力を放つ者」は、前作のアラクセイトの話の続きです。今回もアラクセイトはやっぱり「ぽややん」で、それは世界バルヴァローズにとって大きな損失。ソラミイノが哀れです(笑)。が、「金剛石の子供」である少年ガネルオージェの登場で、結果的にアラクセイトにも自覚が多少は芽生えることに?
聖石の使徒 其は天秤をかざす者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600052-9
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聖石の使徒 其は天秤をかざす者II
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600102-1
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シリーズ第4巻。自らの力を自覚したものの、相変らずその制御はおぼつかないアラクセイト。こんな彼女を狙う存在が、ソラミイノの行方不明だった兄の帰還という形で姿を現します。再び行方をくらましたその兄を探し出すため、アラクセイトとソラミイノは、師匠たちのもとを離れることになりますが、そこに、師匠から破門された金剛石の子供ガネルオージェが合流。こうして、三人の聖石の子供たちは独り立ちへの第一歩を踏み出します。ところで、「其は天秤をかざす者」のあとがきで、「いや、さすがにヒロインに鉈とか斧とか振り回させることはないだろうけど」とありましたが……しっかり持ち歩いているところを見ると、アラクセイトの常備武器になったんでしょうか(笑)。
聖石の使徒 其は水に遊ぶ者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600204-2
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聖石の使徒 其は水に遊ぶ者II
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600249-3
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聖石の使徒 揺籃の瞳
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600458-9
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聖石の使徒 蒼の組木箱
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600540-1
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聖石の使徒 狩人の爪
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601077-1
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聖石の使徒 狩人の覚悟
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601403-8
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聖石の使徒 狩人の宝
[著者] 前田珠子 [イラスト] 山本鳥尾
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601521-9
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天を支える者

天を支える者
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600363-6
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天を支える者 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600413-8
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天を支える者 古戀唄
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600624-8
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天を支える者 古戀唄2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600692-7
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天を支える者 古戀唄3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600729-0
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天を支える者 古戀唄4
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600759-7
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天を支える者 古戀唄5
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600799-3
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天を支える者 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600849-5
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天を支える者 4
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600884-6
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天を支える者 罠は、蜜の味
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601023-8
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天を支える者 緑風に誘われ
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601124-2
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世界を支える「柱神」の候補を見極める「選定者」になってしまった不幸な少女ナルレイシアは、苦難の末に無事義務を果たした……と思ったらあと3人も柱神の候補を見つけなければならないことがわかって呆然、というところで本編終了かと思っていたのですが、2人目を探すという続きが出ました。 「金髪のふたつ尻尾」って……(笑)。
天を支える者 緑の糸をたどって
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601149-5
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二人目の柱神候補をようやく見つけた「金髪のふたつ尻尾」ナルレイシアと、彼女のターゲットである青年ウォルセンの逃避行です。さんざん二人で逃げ回って、最後にナルレイシアはウォルセンに逃げられてしまいました。というわけで以下続刊。なお、今回は4巻構成の予定(あと2冊)だそうです。
天を支える者 緑蘿の檻に囚われ
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601182-2
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天を支える者 緑玉の枷に繋がれ
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601204-1
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天を支える者 緑の鈴を、振る
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601225-6
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天を支える者 空に響く緑の鈴音
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601256-0
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ナルレイシアの活躍(?)によって、無事二人目の柱神が見いだされて、「緑の章」完結です。ナルレイシアとガスカールの関係もちょっと進展しました。ナルレイシアのお勤めはまだ残ってますし、続きが楽しみです。

陽影の舞姫

陽影の舞姫 I
[著者] 前田珠子 [イラスト] 久下じゅんこ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611674-9
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陽影の舞姫 II
[著者] 前田珠子 [イラスト] 久下じゅんこ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611744-9
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陽影の舞姫 III
[著者] 前田珠子 [イラスト] 久下じゅんこ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611834-7
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陽影の舞姫 IV
[著者] 前田珠子 [イラスト] 久下じゅんこ
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614007-2
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カル・ランシィの女王

イファンの王女
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611200-0
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竜の牙を越えて
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611317-5
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冥界の門
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611392-2
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さしのべられた腕
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611413-4
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煉獄
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611791-3
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聖獣復活譚

まどろみの守護者
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611247-5
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銀の守り手
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611270-3
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聖獣覚醒秘譚

目覚める日
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611540-7
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深き闇の檻
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614044-7
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昏き夜の果て 上
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614431-5
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昏き夜の果て 中
[著者] 前田珠子 [イラスト] おおや和美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614580-0
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ジェスの契約

ジェスの契約 前編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 仁さとる
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611530-8
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ジェスの契約 後編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 仁さとる
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-611608-4
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魅魎暗躍譚

碧眼の少年 前編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613002-8
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碧眼の少年 後編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613022-6
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月読見の乙女 前編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613085-1
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月読見の乙女 中編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613113-1
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月読見の乙女 後編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613138-4
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北斗の娘 1
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613270-1
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北斗の娘 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613284-8
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北斗の娘 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613303-6
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北斗の娘 4
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613357-9
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北斗の娘 5
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] スーパーファンタジー文庫(集英社
[ISBN] 978-4-08-613388-3
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コバルト文庫版

魅魎暗躍譚 碧眼の少年 前編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600482-4
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魅魎暗躍譚 碧眼の少年 後編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600483-1
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魅魎暗躍譚 月読見の乙女 前編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600511-1
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魅魎暗躍譚 月読見の乙女 後編
[著者] 前田珠子 [イラスト] 田村由美
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-600512-8
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万象の杖

万象の杖
[著者] 前田珠子 [イラスト] 高屋未央
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614271-7
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万象の杖 2
[著者] 前田珠子 [イラスト] 高屋未央
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614303-5
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万象の杖 3
[著者] 前田珠子 [イラスト] 高屋未央
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614362-2
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万象の杖 4
[著者] 前田珠子 [イラスト] 高屋未央
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614409-4
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万象の杖 5
[著者] 前田珠子 [イラスト] 高屋未央
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-614484-1
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空の呪縛

空の呪縛
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601052-8
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空の呪縛 月の堕ちるとき
[著者] 前田珠子 [イラスト] 明咲トウル
[出版] コバルト文庫集英社
[ISBN] 978-4-08-601101-3
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http://www.matsubokkuri.net