天城小百合 (更新終了)

魔天道ソナタ

天上界を構成する三つの世界……天使の暮らす天界、悪魔の暮らす魔界、その中間に存在する集いの国・魔道界。天界人たちは、家業を継ぐ一部を除き、天界宮、魔界宮、魔道宮のどれかに入り、それぞれ天使、悪魔、魔道士となります。そして、魔道界から、天使と悪魔は協力者としてペアを組み、地上へと人間の魂を迎えに行くのです。

主人公は、魔道界の学校で出会い、互いにひかれあうようになった二人、ミカエルとフィランゼア(フィラ)。悪魔と天使の間に生まれたミカエルは、大天使と同じ名前を持ちながらも、蒼い瞳に青銀の髪という氷のような容貌で、意地っ張りでどことなく陰がある性格で孤立しがち。一方、天使を両親に持つフィラは、緑葉色の瞳に黄金の髪という容姿で、明るくて能天気な性格。幼いときに会った魔王サタンにあこがれ、悪魔になることを夢見ていたフィラは、ミカエルに「協力者になろう」と誘い掛けます。こうして、「青銀の天使」となったミカエルと、「黄金の悪魔」となったフィラの、天上界と地上をめぐる物語は始まります。

こんな二人が関わる事になった、「宇宙の蒼」と「月の涙」という名の二つの宝石。邪悪な宝石である「宇宙の蒼」は「月の涙」の力によって、聖なる石となる……と伝えられていました。これを知ったフィラは、「宇宙の蒼のごとき瞳を持つミカエルの、月の涙になってやる!」と宣言して、ミカエルを口説きはじめます。しかし、これら宝石とミカエルの出生には、大きな秘密がありました。フィラは本当に、苦難の道を歩む事になるミカエルの「月の涙」になることができるのでしょうか?

全体を通してどことなく漂う「のほっ」とした雰囲気が楽しいです。特に「にへっ」とした顔のフィラが……。また、天真爛漫な少年魔道士ファル、フィラの友人ベルゼをはじめ、こういう雰囲気の周辺登場人物も充実(?)。世界設定はごちゃまぜですが、この雰囲気のせいか違和感がありません。シリーズ中盤からは、結構「重い」ストーリー展開になりますが、ところどころにこの雰囲気が残っていて、ほっとさせられます。この独特の天上界の雰囲気が、このシリーズ最大の魅力かもしれません。もちろん、その中心はミカエルとフィラなのです。

魔天道ソナタ 1巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17675-0
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魔天道ソナタ 2巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17676-7
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魔天道ソナタ 3巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17677-4
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魔天道ソナタ 4巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17678-1
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魔天道ソナタ 5巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17679-8
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魔天道ソナタ 6巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17680-4
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魔天道ソナタ 7巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17681-1
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魔天道ソナタ 8巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17682-8
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魔天道ソナタ 9巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17683-5
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魔天道ソナタ 10巻
[著者] 天城小百合
[出版] 秋田文庫(秋田書店
[ISBN] 978-4-253-17684-2
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